峠の駅 [旅]
今は新幹線が出来たため、かつての本線はこの駅で終点となっています。
無造作にも見える寸断された本線。
このレールが先につながっていた時代にはこの駅で2両の機関車をつなげて厳しい峠を目指しました。又、峠を下ってくる列車には速度制御のために同じく機関車を連結していましたので、やはり切り離しの作業をここで行っていました。機関区から聞こえる汽笛が旅情と郷愁を誘ったものです。
車両の連結・切り離しをする際に生じる時間は我々乗客にとっては駅弁の購入に絶好のタイミングでした。そして、この駅で駅弁の大御所「峠の釜めし」が販売されており、立ち売りのおじさんたちはお茶と釜飯を抱えて売っていましたね。とにかく人気の駅弁でしたので、ホームに3・4人の売り子さんがいたはずです。あるいはもっと多かったかもしれません。駅に着く少し前から扉に並び、開くと同時に売り子さんへダッシュ。そうでもしないと結構列ができてしまい、長い停車時間でさえ買えないことがあったのです。 それは夜行列車でも同じで、売り子さんが2・3人に減るのでやはり買うのには工夫をしました。
列車が駅を出る際には売り子さんたちは並んでお見送りをしていました。これはおぎのやさんのホスピタリティでしたね。
荷物になると思っても捨てることのできない益子焼の器。持って帰ればご飯を炊いたり、飽きてくれば鉢植えにしました。
信越本線を通ると必ず買ったのでアタシには非常に身近な存在。だから55年の歴史と聞いたときは意外な気さえしました。ここで釜飯を食べ、高崎でだるま弁当か鳥飯をたべるのが当時のお約束。今思うと贅沢な時間でした。
今も駅中と駅前に売店があります。更に併走する国道には立派なドライブインが出来ています
みんな本物ですが本当の釜めしはどれでしょ?
甘辛く煮つけた牛蒡、椎茸や鶏肉、筍、口直しの栗と生姜。デザートには杏・・。
食べ方は全く自由ですが、アタシは椎茸からいただいてました(^^)v
さて、終点となって仕舞ったこの駅ですが、かつての機関区に鉄道文化村が作られていて鉄ちゃんや往時を懐かしむ人たちの憩いの場となっています。また、ここを起点に遊歩道が作られていてあのめがね橋まで片道およそ1時間半程の行程で行くことができます。
この日は残念ながら諸事情で関所跡まででしたので、是非次回はと思っています。
コメント 0