沈む温泉 其の参 [旅]
源氏の紋「丸に笹竜胆」が鮮やかです。
かつて川原湯温泉には3つの共同浴場がありました。笹湯・聖天様露天風呂とこの王湯です。笹湯と聖天様露天風呂は諸事情で残念ながら閉鎖されています。現在唯一入れる共同浴場が王湯です。
入り口で300円(これもめちゃくちゃ安い!)を払って中へ。ちなみに+300=600円で休憩所が利用できます。これを使えば温泉に入って出てのんびりご飯を食べて又入る。という感じでゆっくり温泉が楽しめます。
残念ながら?男湯・女湯と別れています。それぞれに内湯・露天風呂が用意されていて二つを行き来することは自由です。(男湯・女湯の行き来は不可ですが(^_^;))
内湯は室内だけあってお湯が熱め、一方の露天は内湯に比べると多少低めです。といってもぬるくはありません。のどかな川原湯温泉の雰囲気がリアルに味わえ時が経つのを忘れます。
温泉の質は「含食塩石膏硫化水素泉」というものらしいですよ。浴槽の注ぎ口にカップが置いてありましたので一口飲んでみましたが・・・確かに食塩・石膏・硫黄って感じでした。
源泉は60℃を超えるので「水を止めないで」と常時水が注がれています。
お風呂といえば何故かケロリン(^o^)
この日、先客はいたのですがちょうどアタシと入れ替わり。時間は11時ちょいと過ぎでした。その先客、帰りしなに「吾妻線の電車が豪雨で止まったらしい」と・・
さっそくお風呂のおかみさんが駅に問い合わせをしてくれましたが、この駅では詳細が分かりにくいようで「大丈夫だよ、まだ動いてますよ」の返事。
しかし天下のNHKのテロップで「吾妻線全線不通」とあれば心配になります。確かにここに来るまでの雨は半端なかった。少し早目ですが駅に向かいました。
川原湯温泉駅にて
「いや~どうも、温泉はいかがでしたか?」
「あれ?アタシのこと覚えてました?」
「勿論ですよ。今日今まで(12時20分)に当駅に下車されたのはあなたを含めて3人きりですし」
「! 確かにアタシと一緒に降りた方はお一人でしたが、上りも下りも合わせて3人ですか?」
「もともとこの駅は無人駅なんです。それでも温泉の駅が無人ではお客様に申し訳なかろうと協会で工面して駅員を付けたのです。そういう訳で私はアルバイトなんですよ」
微笑みながら話してくれる駅員さんは確かにJRの制服ではありませんでした。
「電車が止まっているという情報ですが」
「実はそんなわけで私のところでは細かいことはわからないのです。隣の長野原草津口の駅にはJRの職員さんがいらっしゃるからそこで聞くといいですよ、ちょうどあと3分ほどで遅れていた6分発の下り電車が参ります。私が電話で隣駅に聞いてもいいのですが、あちらも二人しかいないし、草津温泉の窓口になっていて結構忙しいので煩わせたくないのです」
ということで、隣駅まで行くことにしました。本当は12時57分発の「大前行」で終点まで行きたかったのですが、電車の状況が分からないのでとりあえず駅員さんのお奨めに乗って隣まで行くことにしました。電車が来るまで八ツ場ダムのことや現在の川原湯温泉のことについて興味深いお話を聞かせていただくことができました。
定刻から20分遅れて電車がきます。 改札を入ろうと切符を探すと・・
「さっき拝見しましたから大丈夫です。お気をつけて行ってらっしゃい。又機会がありましたら来てみてくださいね」
心に沁みるさりげないホスピタリティでした。
おはようございます。本日は台風の影響でだめになったアンテナ工事に出かけるため挨拶のみとさせていただきます。私も温泉に入って疲れを取りたいです。^^;
by ソニックマイヅル (2013-09-18 08:56)