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一分 [競馬]

武士の一分という映画はそこそこ流行ったようですが・・

中央競馬会のベテラン藤田伸二騎手の「騎手の一分」という本、講談社の現代新書から発売されてこの世界をテーマにした本としては異例の大ヒットだそうで。

 

藤田伸二といえば特別模範騎手の表彰を唯一2回受けたことがある騎手。

勝負の世界だから、勝ちに拘ってつい周りを顧みないラフプレイを行ってしまうことがありますが、彼はレースにおいては基本どんな時でもフェアプレイに徹した騎乗をしています。

男気が旺盛で、筋を通すことが信条。義理人情に篤い反面、結構誤解を受けやすいところもあるようですが・・。一時無期限騎乗停止処分を受けたのも、まぁ売られたケンカを最後に買っちゃったってことらしいのですが、競馬会にとっていつも正面から正論を吐く煙たい男に灸をすえてやろうって部分もあったような気がします。 

 

さて、彼が本書で言いたいことは本を読んでいただければわかりますが、その一つに今の競馬界が内外ともにかなり危機的な状況にあると警鐘を鳴らしています。

馬券の売り上げの低下もさることながら、この世界を目指す若者が全盛期の2割になって仕舞ったということ。2割減って8割になったのではなく、8割いなくなって2割残ったってことですよ。

 

武豊の出始めた頃・・そう、スーパークリークやイナリワン、オグリキャップにタマモクロスといったスターホースや松永幹夫、岡潤一、岸滋彦なんて若手騎手が綺羅星のようにテレビを賑わした頃は競馬世界はわが世の春を謳歌していました。

馬のぬいぐるみが飛ぶように売れて、馬券の売り上げも右肩上がり。電話投票の進化系としてPATシステムで在宅投票ができるようになると書斎型馬券参加者が一気に増加していったのですが。

<以下全くの私見>

上げ潮の競馬を商売のネタにして、ブームを煽りに煽ったフジサンケイグループによって競馬本来の面白みがどんどん失われていく。基幹ファンは重ねる年齢とブームに押し出されるように競馬場に居場所を失い、代わって競馬場は若い男女が賑々しくコンサートやお祭りのノリで闊歩していく。

今、競馬場でドロドロ親父を見たいと思っても本場では最終レース辺りで漸く見つけられるかというところ。場外であれば午前中から見つけられる可能性は高いけど、それでも一頃よりもその生息数は激減している。 或いは地方競馬場にはまだ健全なドロドロ親父はいるようだが、これとて地方競馬そのものが先行き怪しい状況であればいずれ絶滅は免れないのでは。 

ドロドロ親父は競馬の基幹ファンである。 この国の競馬という文化はこの先何処へ行くのか。

 

 

で、藤田騎手の話に戻すと・・JRAという組織は国際化という大義名分の下で強者へ諂い、若い芽を摘んでばかりいるという。一度の失敗も許されず、絶えず不安と背中合わせで行う仕事(騎乗や育成)は長期的視野を入れる余地がないという。

然りご尤も。

 

一方で物事には淘汰という無情な現実もあるわけで、競争力がないものは静かに去るしかない。厳し現実の中、最後に笑うのは一体誰なのでしょう。

 

 

若手の話でもうひとつ

船橋競馬で今年デビューした張田昴(はりた あきら)騎手

お父さんは同じく船橋競馬場の張田亰(はりた たかし)騎手 親子鷹だすな。

 

レース振りを見たところこれは先々かなり楽しみな素材だなと感じました。応援したいと思います。

 

船橋競馬の親子鷹には石崎隆之(いしざき たかゆき)・駿(しゅん)騎手がおりますね。

 

この世界もかなり閉鎖された世界ですから、ちょいとみれば親戚縁者なんて当たり前ですけど主流として生き残っていけるのはほんのわずか。 精進してほしいと思います。

 


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コメント 2

ぼんぼちぼちぼち

えっ?!競馬業界って低迷してるんでやすか。
公営ギャンブルは永遠に安泰だと思っていたので驚きやした。

武豊騎手 カッコいいなぁと思いやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2013-07-17 16:31) 

はーく

藤田の本は何冊か持っています。
これはまだ買ってはいませんが、読みたいと思っています!
by はーく (2013-07-20 23:13) 

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